法人が負担する社会保険料は、役員報酬の金額や支給方法によって変わります。特に、毎月の役員報酬と賞与の配分を適切に設計することで、年間の報酬総額を変えずに、社会保険料を合法的に抑えられる場合があります。
ただし、賞与に振り分ければ必ず得になるわけではありません。法人税法上のルールや届出期限、将来受け取る年金への影響も考える必要があります。
この記事では、役員の社会保険料を削減する仕組みを、具体的な計算例とともに解説します。会社負担と役員個人の手取りをどのように考えるべきか、2026年時点の制度に基づいて確認していきましょう。
目次
法人の社会保険料は、役員報酬の設計によって削減できる
結論からいうと、法人の社会保険料は、役員報酬の金額や支給方法を見直すことで合法的に削減できる場合があります。
主な方法は次の3つです。
- 役員報酬の月額を見直す:標準報酬月額の等級を確認し、適切な報酬水準に設定する
- 毎月の役員報酬と賞与の配分を見直す:標準賞与額の上限を踏まえて年間報酬を設計する
- 税金・社会保険料・会社の資金繰りを総合的に最適化する:単純な保険料削減ではなく、会社と役員個人の手残りを確認する
重要なのは、社会保険料には、給与の実額ではなく「標準報酬月額」と「標準賞与額」を基準に計算する仕組みがあることです。
この仕組みを理解することで、同じ年間報酬でも負担額が変わる理由がわかります。
社会保険料は会社と役員本人が負担する
法人で働く役員が健康保険・厚生年金保険の被保険者となる場合、原則として、それぞれの保険料を会社と役員本人が半分ずつ負担します。
例えば、厚生年金保険料率は2026年時点で18.3%です。
標準報酬月額が40万円の場合、厚生年金保険料は次のようになります。
- 厚生年金保険料の合計:73,200円/月
- 会社負担:36,600円/月
- 役員本人負担:36,600円/月
会社は、役員報酬40万円に加えて、会社負担分の社会保険料も支払う必要があります。
さらに、健康保険料や、年齢によっては介護保険料なども発生します。2026年度からは子ども・子育て支援金の負担も始まりました。
そのため、役員報酬を決める際には、給与額だけでなく会社が実際に支出する総額を確認することが重要です。
社会保険料を決める「標準報酬月額」とは?
標準報酬月額とは、毎月の給与や各種手当などを一定の幅で区分した、社会保険料計算の基礎となる金額です。
この区分を「等級」と呼びます。
2026年時点の標準報酬月額は、次のように区分されています。
| 保険の種類 | 等級数 | 標準報酬月額の範囲 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 50等級 | 58,000円〜1,390,000円 |
| 厚生年金保険 | 32等級 | 88,000円〜650,000円 |
例えば、厚生年金保険では、報酬月額が19万5,000円以上21万円未満の場合、標準報酬月額は20万円になります。
つまり、給与額が少し違っていても、同じ等級であれば厚生年金保険料は変わりません。
反対に、わずかな報酬の違いで等級が上がり、社会保険料が増える場合もあります。
役員報酬を決めるときは、給与の実額だけではなく、どの等級に該当するのかを確認することが大切です。
標準報酬月額はいつ変更される?
標準報酬月額は、原則として毎年4月・5月・6月の報酬を基に見直され、9月から翌年8月まで適用されます。これを「定時決定」といいます。
また、固定的賃金の変更によって、変更後3か月間の平均報酬が従来の標準報酬月額と原則2等級以上変わる場合などには、「随時改定」の対象になります。
この場合、変更後の報酬を初めて受けた月から4か月目に標準報酬月額が改定されます。
したがって、役員報酬を減額したからといって、その月から直ちに社会保険料が下がるとは限りません。
なお、社会保険上の改定時期とは別に、税務上の役員給与には変更できる時期や理由について制限があります。
役員賞与を活用すると社会保険料を削減できる理由
役員の社会保険料を見直す方法の一つが、毎月の役員報酬と賞与の配分を調整することです。
社会保険料は毎月の給与だけでなく賞与にもかかりますが、賞与には保険料計算上の上限があります。
賞与には社会保険料がかからない上限がある
賞与にかかる社会保険料は、実際に支給した賞与額から1,000円未満を切り捨てた「標準賞与額」に保険料率を掛けて計算します。
標準賞与額には、次の上限が設けられています。
| 保険の種類 | 標準賞与額の上限 | 上限の考え方 |
|---|---|---|
| 厚生年金保険 | 150万円 | 1か月あたり |
| 健康保険 | 573万円 | 4月1日〜翌年3月31日の年度累計 |
厚生年金保険では、同じ月に支給した賞与の合計が150万円を超えても、150万円までを保険料計算の対象とします。
例えば、賞与を1回で300万円支給した場合、厚生年金保険料の対象になる標準賞与額は150万円です。
300万円全額に厚生年金保険料がかかるわけではありません。
一方、健康保険は年度累計573万円が上限です。厚生年金保険とは上限の考え方が違うため、賞与を増やした場合でも健康保険料が減るとは限りません。
毎月の役員報酬を下げて賞与に振り分ける
賞与の上限を活用する方法として、年間報酬総額を変えずに、毎月の報酬を抑えて賞与で支給する設計が考えられます。
例えば、年間報酬600万円を支給する場合、次の2つの方法があります。
- 毎月50万円を12か月支給する
- 毎月20万円を12か月支給し、残り360万円を年1回の賞与として支給する
どちらも年間報酬の合計は600万円です。
しかし、社会保険料の計算方法が異なるため、厚生年金保険料には差が生じます。
この違いを具体的に見てみましょう。
【比較試算】年収600万円の役員報酬を変更するといくら削減できる?
ここでは、年間報酬600万円の役員について、支給方法を変えた場合の厚生年金保険料を比較します。
実際の顧客事例ではなく、公表されている制度に基づく計算例です。
試算条件
- 年間の役員報酬総額:600万円
- 厚生年金保険料率:18.3%
- 12か月を通して各プランの標準報酬月額が適用されると仮定
- 賞与は年1回支給
- 他の手当や報酬、期中の資格変更はないものとする
- 健康保険料、介護保険料、税金、その他の拠出金等は比較対象外
| 項目 | A:毎月均等払い | B:賞与併用型 |
|---|---|---|
| 毎月の役員報酬 | 50万円 | 20万円 |
| 年間の月額報酬合計 | 600万円 | 240万円 |
| 年1回の役員賞与 | 0円 | 360万円 |
| 年間報酬総額 | 600万円 | 600万円 |
| 月額分の厚生年金算定基礎額 | 600万円 | 240万円 |
| 賞与分の厚生年金算定基礎額 | 0円 | 150万円 |
| 厚生年金保険料(労使合計) | 1,098,000円 | 713,700円 |
| 年間保険料の差額 | — | 384,300円減 |
この条件では、賞与併用型に変更することで、厚生年金保険料が年間384,300円少なくなります。
会社と役員本人の負担を分けると、次のようになります。
| 負担者 | 年間の厚生年金保険料削減額 |
|---|---|
| 会社負担分 | 192,150円 |
| 役員本人負担分 | 192,150円 |
| 合計 | 384,300円 |
年間報酬総額を600万円のまま維持しても、支給方法によって厚生年金保険料に違いが生じることがわかります。
ただし、この試算で示しているのは、厚生年金保険料の減少額です。
健康保険の標準賞与額は360万円全額が上限内であり、今回の仮定では健康保険料の計算対象となる報酬・賞与の年間合計はどちらも600万円です。そのため、健康保険料の削減効果は生じない想定です。
社会保険料が38万円減ることと、会社・個人を合わせた手残りが38万円増えることは同じではありません。
会社負担の保険料が減れば、他の条件が同じ場合、法人の課税所得が増える可能性があります。また、役員本人の社会保険料控除も減るため、所得税や住民税に影響します。
実際の効果を判断するには、税金まで含めたシミュレーションが必要です。
役員賞与で社会保険料を削減する際の税務上のルール
役員賞与を活用する場合、社会保険の仕組みだけを理解していても十分ではありません。
法人税法では、役員に対する給与を損金に算入するための要件が定められています。
特に重要なのが「定期同額給与」と「事前確定届出給与」です。
毎月の役員報酬は「定期同額給与」が基本
定期同額給与とは、原則として毎月同じ金額を支給する役員給与です。
例えば、毎月30万円と決めた場合、原則としてその金額を継続して支給します。
役員報酬を変更できるのは、通常、事業年度開始から3か月以内の改定など、一定の要件を満たす場合です。
職務内容の重大な変更や、経営状況の著しい悪化といった特別な事情による改定が認められる場合もあります。
しかし、単に利益が増えた、想定より売上が少なかったという理由だけで自由に増減できるわけではありません。
税務上の要件を満たさない変更を行うと、給与の一部が損金として認められなくなる可能性があります。
役員賞与には「事前確定届出給与」の手続きが必要
事前確定届出給与とは、役員に対して、あらかじめ定めた時期に確定した金額を支給する給与です。
一般的な同族会社が役員賞与を損金に算入するには、この制度の要件を満たす必要があります。
主な手続きは次のとおりです。
- 株主総会等で賞与の支給日と金額を決定する
- 所定の期限までに税務署へ事前確定届出給与に関する届出書を提出する
- 決定した支給日・金額に従って賞与を支給する
- 賞与支給後、社会保険の賞与支払届を提出する
事前確定届出給与の届出期限は、原則として次のいずれか早い日です。
- 株主総会等の決議日などから1か月を経過する日
- 会計期間開始の日から4か月を経過する日
ただし、新設法人や申告期限延長の特例がある法人、臨時改定事由が生じた場合などは扱いが異なります。
また、実際の支給日や金額が届出内容と異なる場合、損金算入が認められない可能性があります。
例えば、賞与300万円を予定していたものの、決算状況を見て250万円に減らして支給するといった対応は注意が必要です。
社会保険料を減らすために賞与を活用しても、税務上の処理を誤れば、かえって税負担が増えるおそれがあります。
賞与支払届も忘れずに提出する
役員賞与を支給した場合には、社会保険上の手続きも必要です。
被保険者に賞与を支給したときは、原則として支給日から5日以内に「被保険者賞与支払届」を提出します。
事前確定届出給与は税務上の手続きであり、賞与支払届は社会保険上の手続きです。
提出先も目的も異なるため、どちらか一方を提出すればよいわけではありません。
社会保険料の削減で失敗しないための5つの注意点
役員報酬と賞与の設計は、社会保険料の削減につながる一方、慎重に検討すべき点もあります。
1.役員報酬を極端に低く設定しない
毎月の役員報酬を低くすれば、標準報酬月額が下がり、保険料を抑えられる可能性があります。
しかし、標準報酬月額には最低等級があるため、報酬を下げ続ければ保険料が無制限に減るわけではありません。
さらに、毎月の生活費を確保できなくなる可能性もあります。
賞与併用型の場合も、年1回の賞与が支給されるまでの生活資金を考えなければなりません。
月額報酬は、税金や社会保険料だけでなく、家計の支出と会社の資金繰りを踏まえて決定する必要があります。
2.将来の年金受給額が少なくなる可能性がある
厚生年金の保険料が少なくなるということは、将来の年金額を計算する基礎となる標準報酬月額や標準賞与額も低くなる場合があるということです。
その結果、将来受け取る老齢厚生年金の金額が少なくなる可能性があります。
また、健康保険の傷病手当金など、標準報酬月額が計算に関係する給付にも影響する場合があります。
保険料を下げるメリットだけでなく、将来の保障への影響を確認することが重要です。
3.賞与を年4回以上支給すると扱いが変わる
社会保険制度では、原則として年3回以下の賞与は標準賞与額の対象となります。
一方、年4回以上支給される賞与は、原則として標準報酬月額を算定する際の報酬として扱われます。
そのため、賞与を複数回に分ければ必ず保険料が安くなるという考え方は適切ではありません。
また、厚生年金の標準賞与額の上限150万円は、賞与1回ごとではなく、同じ月に支給した賞与の合計に適用されます。
賞与の金額だけでなく、支給回数や支給時期も含めて設計する必要があります。
4.会社と個人の税負担を合わせて判断する
役員の社会保険料を削減する場合、会社と役員本人の両方に影響が生じます。
例えば、会社が負担する社会保険料が減れば、経費が減少し、他の条件が同じなら法人税等が増える方向に働きます。
役員本人についても、負担する社会保険料が減ると社会保険料控除が少なくなり、所得税や住民税が増える場合があります。
また、所得税や住民税は年間の報酬総額、所得控除、他の所得などによって計算結果が変わります。
そのため、次の3つを一緒に比較することが大切です。
- 法人が支払う税金と社会保険料
- 役員個人が支払う税金と社会保険料
- 法人と役員個人を合わせた最終的な手残り
「社会保険料が最も安い役員報酬」と「会社と個人に最も多くお金が残る役員報酬」は、必ずしも一致しません。
5.事業実態のない社会保険料削減スキームに注意する
社会保険料を減らす方法として、マイクロ法人の設立や、別法人の役員になる方法が紹介されることがあります。
マイクロ法人とは、一般に、代表者1人または少人数で運営する小規模法人を指す言葉です。
法人を設立し、適切な役員報酬を設定することで、個人事業主として活動する場合と社会保険料が変わる可能性があります。
ただし、法人を設立するだけで社会保険料が安くなるわけではありません。
2026年3月18日、厚生労働省は、個人事業主等が法人の役員になる場合の被保険者資格について、取扱いを明確化する通知を発出しました。
この通知では、役員としての経常的な労務提供や、業務の対価としての報酬支払いなど、実態を踏まえて判断することが示されています。
実際には経営に参画していないにもかかわらず、形式上だけ役員となって健康保険・厚生年金保険に加入する方法は認められません。
また、個人事業主が報酬額を超える会費などを法人に支払う仕組みについても、注意が必要です。
マイクロ法人による社会保険料の最適化を検討する場合は、事業活動の実態や法人維持費、税金、社会保険の加入要件を含めて判断しましょう。
参考:厚生労働省「法人の役員である個人事業主等に係る被保険者資格の取扱いについて」
2026年以降の社会保険制度の変更にも注意
役員報酬の最適化を考える場合、今後の社会保険制度の変更も把握しておく必要があります。
2026年度から子ども・子育て支援金制度が開始
2026年4月分の保険料から、子ども・子育て支援金制度による負担が始まりました。
2026年度の被用者保険における支援金率は0.23%で、基本的に会社と被保険者が半分ずつ負担します。
支援金は標準報酬月額だけでなく、賞与も計算対象となります。
そのため、社会保険料全体の負担を試算するときは、従来の健康保険料や厚生年金保険料に加えて、この支援金も考慮する必要があります。
厚生年金の標準報酬月額の上限も段階的に引き上げ
厚生年金保険の標準報酬月額の上限は、2026年時点では65万円です。
しかし、制度改正によって次の引上げが予定されています。
| 実施時期 | 標準報酬月額の上限 |
|---|---|
| 2026年時点 | 65万円 |
| 2027年9月 | 68万円 |
| 2028年9月 | 71万円 |
| 2029年9月 | 75万円 |
この改正により、高額な役員報酬を受け取る人は、今後の厚生年金保険料が増える場合があります。
一方で、負担額が増える分、将来の年金給付にも反映されます。
高額報酬の経営者は、現在の保険料だけではなく、今後の制度改正も踏まえた報酬設計が重要です。
役員報酬と賞与を最適化するための具体的な手順
実際に報酬設計を見直すときは、次の手順で進めるとよいでしょう。
STEP1:現在の報酬額と社会保険料を確認する
まず、役員報酬の月額、賞与の有無、標準報酬月額の等級を確認します。
会社負担と本人負担を分けて、年間の社会保険料を整理しましょう。
STEP2:年間報酬総額を決める
会社の利益予測、資金繰り、役員本人の生活費などを踏まえ、年間でいくらの報酬を支給するか決定します。
社会保険料を減らすことだけを目的に、必要な役員報酬まで減らしてしまわないよう注意が必要です。
STEP3:月額報酬と賞与の配分を複数比較する
例えば、年間600万円を支給する場合でも、次のような組み合わせが考えられます。
| プラン | 月額報酬 | 年1回の賞与 |
|---|---|---|
| A | 50万円 | 0円 |
| B | 40万円 | 120万円 |
| C | 30万円 | 240万円 |
| D | 20万円 | 360万円 |
どの配分が適しているかは、税率、加入している健康保険、年齢、年間報酬総額などによって変わります。
標準報酬月額や標準賞与額の上限を踏まえて試算し、比較することが重要です。
STEP4:会社と役員個人の税金を含めて比較する
社会保険料が最も少ないプランだけを選ぶのではなく、法人税、所得税、住民税を含めた最終的な負担額を比較します。
あわせて、賞与支給時に必要となる資金や将来の年金額への影響も確認しましょう。
STEP5:税務上の手続きを期限内に実施する
最適な報酬設計が決まったら、株主総会等の決議や事前確定届出給与の届出など、必要な手続きを行います。
毎月の役員報酬を変更する場合は、税務上の改定時期と社会保険の改定時期が異なる点にも注意が必要です。
制度を理解していても、届出期限や実際の支給方法を誤ると、想定した効果が得られなくなる場合があります。
実行前に税理士や社会保険労務士へ確認することをおすすめします。
役員の社会保険料削減に関するよくある質問
Q1.法人の社会保険料を合法的に削減することはできますか?
はい。役員報酬の月額や賞与の支給方法を適切に設計することで、社会保険料を合法的に削減できる場合があります。
ただし、社会保険への加入義務を免れるために、実態と異なる届出を行うことは認められません。
法人税法や社会保険制度の要件を守ったうえで検討する必要があります。
Q2.役員報酬を下げれば、必ず社会保険料も安くなりますか?
必ずしもそうではありません。
標準報酬月額は等級によって決まるため、報酬額が下がっても等級が変わらなければ保険料が変わらない場合があります。
また、標準報酬月額の改定には一定の要件や適用時期があります。
現在の等級と変更後の等級を確認することが重要です。
Q3.役員賞与を支給すれば社会保険料はかかりませんか?
いいえ。役員賞与にも、原則として健康保険料と厚生年金保険料がかかります。
ただし、標準賞与額には厚生年金保険で月150万円、健康保険で年度累計573万円という上限があります。
そのため、年間報酬の配分によって保険料が変わる場合があります。
Q4.役員賞与は事前に税務署へ届け出る必要がありますか?
一般的な同族会社で、役員賞与を事前確定届出給与として損金に算入する場合は、原則として事前の届出が必要です。
また、届出内容に従った支給が求められます。
届出期限や支給方法を誤ると損金算入が認められない場合があるため、事前に確認しましょう。
Q5.役員報酬をゼロにすれば社会保険に加入しなくてもよいですか?
役員報酬を支給していない場合、役員本人が健康保険・厚生年金保険の被保険者に該当しないことがあります。
ただし、形式上の報酬額だけではなく、実際の勤務実態や報酬の性質などによって判断されます。
また、役員本人が加入対象外であっても、法人そのものの適用事業所としての義務がなくなるとは限りません。
加入要件については、管轄の年金事務所などに確認することが大切です。
Q6.社会保険料を最も安くすれば、役員の手取りは最大になりますか?
必ずしもそうではありません。
社会保険料が下がると、社会保険料控除も少なくなるため、役員個人の税負担が増える場合があります。
会社負担の社会保険料が減ることで、法人税等が増える可能性もあります。
役員報酬の最適化では、会社と個人の税金・社会保険料・資金繰りをまとめて比較することが重要です。
まとめ|社会保険料の削減は役員報酬と賞与の総合設計が重要
法人の社会保険料は、役員報酬の月額や賞与の配分を見直すことで、合法的に削減できる場合があります。
特に重要なのは、次のポイントです。
- 標準報酬月額の等級を確認して役員報酬を設定する
- 標準賞与額の上限を理解し、賞与の活用を検討する
- 事前確定届出給与などの税務上の要件を守る
- 会社負担と役員本人負担の両方を確認する
- 法人税・所得税・住民税や将来の年金額まで含めて判断する
社会保険料だけを減らそうとして報酬を大幅に変更すると、税負担が増えたり、資金繰りが悪化したりする可能性もあります。
大切なのは、単純に社会保険料を減らすことではなく、会社と経営者個人を合わせた負担を適正化し、無理のない報酬設計を行うことです。
役員報酬の見直しや法人の税務相談は浅野税務会計事務所へ
役員報酬や賞与の金額を決める際には、法人税と役員個人の所得税だけでなく、社会保険料への影響も確認することが大切です。
東京都目黒区・自由が丘の浅野税務会計事務所では、法人向けの税務顧問業務を通じて、日常の税務相談や決算申告、経営上の課題に関するサポートを行っています。
役員報酬の見直しや法人の税務負担についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。