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お中元・お歳暮は経費で落ちる?交際費と広告宣伝費の境界線を解説

取引先へ贈ったお中元は経費にできるのか、5,000円を超えると認められないのかと不安になっていませんか。
事業に関係する得意先へのお中元やお歳暮は、原則として経費にできます。ただし、贈る相手や目的によって、接待交際費、広告宣伝費、販売促進費など、使用する勘定科目が変わります。また、会計上は経費に計上できても、法人税の計算上は全額を損金にできない場合があるため注意が必要です。
この記事では、お中元を経費にするための条件、交際費と広告宣伝費の境界線、仕訳方法、消費税の取り扱い、税務調査に備えて残すべき資料を解説します。法人経営者や個人事業主、開業直後で経費処理に迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
浅野税務会計事務所は、自由が丘をはじめとした目黒区を中心に、60年以上にわたり法人・個人のお客様から税務や経営に関するご相談を受けています。現場でよくある間違いも踏まえて、分かりやすくお伝えします。

1. お中元を経費にするための基本条件

お中元を経費にできるかどうかは、金額だけで決まりません。贈答品を渡した相手と事業上の関係があり、売上の維持や取引関係の円滑化など、業務上の目的を説明できることが重要です。まずは、お中元を経費にするための基本的な考え方を確認しましょう。

1-1. お中元は事業との関係を説明できれば経費になる

得意先や仕入先など、事業に関係する相手へ贈るお中元は、原則として経費にできます。お中元には、日頃の感謝を伝え、今後も良好な取引関係を維持する目的があるためです。
例えば、自由が丘で飲食店を経営する法人が、食材の仕入先や店舗設備の管理会社へお中元を贈った場合は、事業との関係が明確です。個人事業主が継続的に仕事を依頼してくれる取引先へ贈答品を送った場合も、必要経費として認められる可能性があります。
一方で、代表者の友人、親族、学生時代の知人など、事業との関係がない相手への贈答は経費にできません。会社の資金で支払った場合でも、役員への貸付金や役員賞与、個人事業主であれば事業主貸として処理する必要があります。
判断するときは、次の点を確認してください。
  • 贈った相手:得意先、仕入先、外注先など、事業上の関係を説明できるか
  • 贈答の目的:取引の維持、営業活動、販売促進などの目的があるか
  • 品物と金額:相手との取引規模や一般的な商慣習に照らして妥当か
  • 保存資料:領収書だけでなく、送り先や贈答理由を記録しているか

目黒区の事業者からも、取引先への贈答品と個人的な贈答品をまとめて購入してしまったというご相談があります。この場合は、事業分と個人分を区分し、事業に関係する部分だけを経費にします。購入時点で送り先を一覧にしておくと、後から確認しやすくなります。税務上の最終判断は専門家に確認してください。

1-2. お中元の経費に5,000円の上限はない

お中元は5,000円までしか経費にならないという情報を見かけることがありますが、お中元やお歳暮などの贈答品について、一律5,000円までとする税務上の基準はありません。
5,000円という基準は、以前の接待飲食費に関する基準と混同されやすい数字です。2024年4月1日以後に支出した一定の接待飲食費は、参加者1人当たり10,000円以下で保存要件を満たす場合、法人税上の交際費等から除外されます。2024年3月31日以前の基準が1人当たり5,000円以下でした。これは飲食を伴う接待の基準であり、得意先へ配送するお中元には直接適用されません。
ただし、上限が決められていないからといって、いくらでも経費にできるわけではありません。数千円程度の食品や飲料であれば一般的な贈答の範囲と考えやすい一方、数十万円の時計や貴金属などは、取引内容との関係や贈答目的を厳しく確認される可能性があります。
金額の妥当性は、相手との年間取引額、贈答の頻度、品物の内容、業界慣行などを総合して判断します。高額な贈答品を購入するときは、社内稟議書や贈答理由を残し、事前に税理士へ相談することが安全です。制度は変更される可能性があるため、最終的な判断は必ず最新情報を確認してください。最終判断は専門家に確認してください。

2. お中元の経費に使う交際費と広告宣伝費の境界線

お中元の勘定科目は、接待交際費が基本です。ただし、贈る相手や配布方法によっては広告宣伝費や販売促進費として処理できる場合があります。交際費と広告宣伝費の境界線は、特定の相手との関係を深める支出か、広く商品や会社を宣伝する支出かという点にあります。

2-1. 特定の得意先へのお中元は接待交際費

特定の得意先や仕入先へ個別に贈るお中元は、原則として接待交際費に該当します。交際費等とは、得意先、仕入先など事業に関係する相手への接待、慰安、贈答などに使う費用です。
例えば、次のような支出は接待交際費として処理するのが一般的です。
  • 既存の得意先への贈答:食品、飲料、菓子、タオルなどを個別に送る場合
  • 仕入先への贈答:継続的な取引への感謝として品物を送る場合
  • 取引候補への贈答:具体的な商談や営業活動に関連して送る場合
  • 紹介者への贈答:顧客や取引先の紹介に対する謝意として送る場合

会計上、接待交際費として経費計上できることと、法人税上、全額を損金に算入できることは同じではありません。損金とは、法人税を計算するときに収益から差し引ける費用です。法人の資本金や交際費の年間支出額によっては、接待交際費の一部が損金として認められないことがあります。
特に複数の得意先へ毎年お中元とお歳暮を贈る会社は、年間の交際費を集計して管理する必要があります。購入時に正しい勘定科目を使い、決算時に交際費の損金算入限度額を確認しましょう。制度は変更される可能性があるため、最終的な判断は必ず最新情報を確認してください。最終判断は専門家に確認してください。

2-2. 不特定多数へのお中元は広告宣伝費になる場合がある

不特定多数の人へ広く配布する品物は、接待交際費ではなく、広告宣伝費や販売促進費として処理できる場合があります。広告宣伝費は、自社や商品を広く知ってもらい、販売を促進するための費用です。
例えば、自社名やサービス名を印刷したタオル、カレンダー、うちわ、ボールペンなどを来店者へ一律に配布するケースです。配布する相手が特定の重要顧客に限られず、品物の単価も少額で、宣伝目的が明確であれば広告宣伝費として整理しやすくなります。
配布方法 主な勘定科目
特定の得意先へ個別に贈る 接待交際費
多数の来店客へ一律に配る 広告宣伝費
購入者向けキャンペーンで配る 販売促進費または広告宣伝費
従業員全員へ同程度の品物を配る 福利厚生費などを検討
役員や一部の従業員だけに配る 給与または役員給与となる可能性

自由が丘の店舗が、夏のキャンペーンとして来店者全員に店名入りのうちわを配る場合は、広告宣伝費として処理できる可能性があります。一方、同じ品物でも、重要な得意先10社だけを選んで送る場合は、接待交際費と判断されやすくなります。
勘定科目は品物の名称だけで決めず、誰に、何の目的で、どのように配布したかを確認することが大切です。配布数、対象者、キャンペーン内容を記録しておくと、税務調査でも説明しやすくなります。最終判断は専門家に確認してください。

3. お中元を経費処理するときの仕訳と注意点

お中元を経費にするときは、贈答品の購入代金だけでなく、送料や包装代も含めて処理します。また、通常の商品と商品券では消費税の取り扱いが異なります。正しい仕訳と資料保存を行い、税務調査で事業との関係を説明できる状態にしておきましょう。

3-1. お中元の勘定科目と仕訳例

取引先へ贈るお中元は、接待交際費で仕訳するのが基本です。贈答品の代金と送料をまとめて支払った場合は、送料も接待交際費に含めて処理できます。送料を通信費や荷造運賃として分ける方法もありますが、毎回同じ基準で継続して処理することが重要です。
得意先へ5,500円の食品を贈り、送料1,100円を現金で支払った場合の仕訳例は次のとおりです。
借方 金額 貸方 金額
接待交際費 6,600円 現金 6,600円

法人カードで支払った場合は、購入時に接待交際費と未払金を計上し、カード利用代金が預金口座から引き落とされたときに未払金を消します。個人事業主が個人用のカードで立て替えた場合は、貸方を事業主借として処理する方法があります。
販売促進キャンペーンで不特定多数へ配る社名入りの粗品であれば、借方を広告宣伝費または販売促進費とします。社内で勘定科目の使用基準を決め、同じ性質の支出を毎回異なる科目にしないことが大切です。
領収書の但し書きは、品代だけでなく、お中元代、贈答品代など、内容が分かる記載が望ましいです。インターネット通販を利用した場合は、領収書、注文確認メール、購入履歴、配送先一覧を保存してください。最終判断は専門家に確認してください。

3-2. お中元の消費税と税務調査への備え

得意先へ贈る食品や飲料などの購入代金は、原則として消費税の課税仕入れになります。したがって、課税事業者が必要な帳簿や請求書を保存している場合は、仕入税額控除の対象になる可能性があります。お中元に食品と送料が含まれる場合は、適用される税率が異なることもあるため、領収書や適格請求書の内訳を確認しましょう。
一方、商品券、ギフト券、旅行券などの購入は、消費税が非課税です。得意先へ商品券を贈った場合、その購入代金について仕入税額控除はできません。国税庁も、お中元などの贈答品として購入した物品は原則として課税仕入れになる一方、得意先へ交付する商品券は課税仕入れにならないと示しています。
税務調査では、領収書があるだけで経費として認められるとは限りません。次の資料を保存し、相手と目的を説明できるようにしてください。
  • 領収書や適格請求書:購入日、購入先、商品、金額を確認できる資料
  • 送り先一覧:得意先名、担当者名、住所、取引内容を記載した資料
  • 配送伝票:実際に誰へ送ったかを確認できる資料
  • 贈答理由:取引維持、紹介への謝意、販売促進などの目的を記載した資料
  • 社内稟議書:高額な贈答品や多数への贈答について承認経緯を残した資料

毎年同じ相手に贈る場合も、前年の一覧をそのまま使わず、現在も取引が続いているかを確認しましょう。退職した担当者や取引が終了した会社への贈答が含まれていると、事業上の必要性を疑われる可能性があります。制度は変更される可能性があるため、最終的な判断は必ず最新情報を確認してください。最終判断は専門家に確認してください。

4. まとめ|お中元を正しく経費処理するために

得意先や仕入先へ事業目的で贈るお中元は、原則として経費にできます。ただし、接待交際費と広告宣伝費の区分や、法人税上の損金算入、消費税の処理まで確認する必要があります。購入前に贈る相手と目的を整理し、領収書と送り先一覧を保存しましょう。
  • 事業との関係を確認する:得意先や仕入先への贈答は経費にできますが、友人や親族への私的な贈答は区分します
  • 贈り方に合う勘定科目を選ぶ:特定の得意先へのお中元は接待交際費、不特定多数への粗品は広告宣伝費を検討します
  • 証拠資料を残す:領収書だけでなく、送り先、取引関係、贈答目的を記録し、税務調査に備えます

浅野税務会計事務所では、お客様の発展を第一に考え、経営者の「知恵袋」として役立つことを使命としております。
令和の時代は、新たな発展へのチャンスの時代として捉え、法人・個人・相続と三位一体でプランニングをすることが必要だと考えています。

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